赤ちゃんと自分を守るために大事な歯科の妊婦健診とは?

妊娠中は自分の体調よりも、お腹の赤ちゃんはどうかなと一喜一憂するような気持ちの変化も大きくなりがちで、どうしても自分のことは後回しになりがちですよね。
妊娠中には通常の健診の他に歯科健診も行われています。赤ちゃんとご自身の健康を守るためにとても大切です。
そこで今回は、妊婦歯科健診についてご紹介します。

目次
妊婦さんのお口の中では、何が起こっている?
妊娠中の女性の体にはホルモンバランスや体調の変化によって、お口の中にも大きな影響が出てきます。
主な変化は、以下の通りです。
①妊娠性歯肉炎(にんしんせいしにくえん)
妊娠中はエストロゲンという女性ホルモンが大きく増加します。その影響で歯ぐきが腫れたり、出血しやすくなったりします。これを妊娠性歯肉炎といいます。
一説では妊婦さんの約7〜8割が妊娠性歯肉炎とも言われています。
放っておくとやがて歯周病に進行し、痛みや出血が強くなることもあります。個人差はありますが、中には妊娠中に歯がグラグラと揺れてしまう方もいらっしゃいます。
②つわりで歯みがきがしにくくなる
つわりで気分が悪いと、歯ブラシを口に入れるのもつらくなってしまいます。
その結果口腔ケアが不十分になり、虫歯や歯ぐきの炎症が起こりやすくなってしまいます。お辛いとは思いますが、長めのうがいだけでも取り入れてくださいね。

③食事の回数や内容の変化
妊娠中は空腹時に気分が悪くなることもあって、間食が増えたり、ちょこちょこ食べたり、特定のものを好む方もいらっしゃいます。
お口の中に食べ物が長く存在することが原因となりお口の中が酸性に傾きやすくなり、虫歯のリスクが上昇することにも繋がります。

④唾液の量・性質の変化
妊娠すると唾液の分泌量が減ったり、粘ついたりすることがあります。
唾液はお口の中のを洗い流す自浄作用を持っているので、唾液が減ると細菌が増えやすくなってしまいます。
2. お口のトラブルが赤ちゃんに影響する?
近年ではお母さんのお口の健康状態が、赤ちゃんの健康にも関わることが分かってきました。
それはお母さんの歯周病により、早産・低体重児出産のリスクに繋がってしまうことです。

重度の歯周病にかかっている妊婦さんは、健康な歯ぐきを持つ方に比べて、早産や低体重児出産のリスクが高まると言われています。
歯ぐきの炎症によって出るサイトカインという物質が、子宮の収縮を促してしまう可能性があるためです。
その結果として、早産となる可能性が指摘されています。
そのため妊娠中に歯周病のチェックとケアを行うことは、赤ちゃんのためにもお母さんのためにもとても重要なのです。
3. 妊婦歯科健診ってどんなことをするの?
母子手帳と一緒に配布される、妊婦歯科健診の受診票を使うと、自治体の指定医療機関で無料または一部負担で健診を受けることができます。
当院はさいたま市妊婦歯科健康診査実施医療機関です。さいたま市に住所のある妊婦の方は費用はかからず、無料で受けられます。

主な健診内容は、以下の通りです。
- お口全体の視診
- 虫歯の有無のチェック
- 歯ぐきの腫れ・出血・歯石の有無
- 詰め物・被せ物の状態チェック
- 口内炎や粘膜の異常の有無
- 歯みがきの状態・磨き癖の確認
- 必要に応じた歯みがき指導や予防処置
痛みを感じる治療ではなく、あくまでもチェックと予防のためのアドバイスがメインなので、歯医者が苦手な方も気軽に受けられます。ご安心くださいね。
4. 治療が必要な場合はどうするの?
妊娠中でも状態や時期に応じた虫歯治療や歯石除去などの処置は可能です。
ただし妊娠中の歯科治療には下記のようなポイントがあります。

①治療に適した時期は「安定期(妊娠5〜7ヶ月)」
一般にこの時期は体調が安定しているため、治療や予防処置を受けやすい時期です。
つわりのある初期(妊娠4ヶ月未満)や、おなかが大きくなる後期(妊娠8ヶ月以降)は基本的には治療はあまり行わず、応急処置にとどめることが多いです。
②麻酔やレントゲンも必要に応じて使用可能
麻酔などについて妊婦さんにも安全性が高いものを使用したり、妊婦さんに安全なものを選択することもできます。
事前に産婦人科の主治医と連携をとることも可能なので、遠慮なく相談してくださいね。

5. 妊娠中に気をつけたいセルフケアのポイント
妊婦歯科健診と合わせて、毎日のセルフケアがとても大切になります。
①歯みがきは無理なくできるタイミングで行う
つわりがつらいときは、朝や夜でなくても大丈夫です。
昼間の体調が良いときに軽く磨いたり、歯ブラシを小さいヘッドに替えることも大切です。
歯みがき粉なしでもOKですし、フッ素ジェルを使える場合は使いましょう。
完璧を目指さないことが、予防を続けるコツです。

②食後のうがいを習慣にする
食後すぐに歯みがきができなかったとしても、お茶や水で多めにゆすぐだけでもOKです。
お茶や水がお口の中の酸性を中和して、虫歯を防ぎやすくなります。

③間食・飲み物の工夫もむし歯予防に
甘いものなどを食べるときは時間を決めて、ダラダラ食べにならないように意識することが大切です。
また飲み物はジュースより、お水や麦茶、無糖のお茶などがおすすめです。

6. おわりに
いかがでしたか?
おなかの赤ちゃんのために食事や生活習慣を見直すのと一緒に、お口の健康にもぜひ目を向けてみてください。
- 歯ぐきが腫れてるけど、放っておいて大丈夫?
- 歯磨きしたら歯ぐきから出血した
- 唾液・唾が粘ついている気がする
- 虫歯っぽいところがあるけど、妊娠中に治療できる?
- このまま出産して大丈夫かな?
そんな不安を感じたら、お気軽に歯科医院にご相談ください。
妊婦歯科健診はママ自身のためにも赤ちゃんの健やかな成長のためにも、大切な予防医療のひとつです。
まだ痛くないから時間がないからと後回しにせず、今だからこそできるお口のケア、始めてみませんか?
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。


