指しゃぶりがやめられない③
先日、うちの子はテレビを見ている間や寝ている間などいつも指しゃぶりをしていて、歯並びに影響がないかと心配だというご相談をいただきました。
そこでこのコラムでは、『指しゃぶりの年齢別対応』についてご説明していきます。
指しゃぶりとは
指しゃぶりとは、いずれかの指を口蓋(上の歯の天井の部分)に押し付ける仕草を言います。チュッチュッやチューチューと指を吸うことで口の中が陰圧になり圧力が高まるので、長期間に続けると歯並びや噛み合わせに影響を及ぼすことがあります。
また指しゃぶりは1歳から4歳までの間に23%〜46% の子どもが経験していると報告されています。
年齢別指しゃぶりへの対応
指しゃぶりは以前のコラムでも触れた通り、特に乳児期では生理的な行動であり、3歳までは過剰な心配はありません。しかし3歳を迎えても指しゃぶりがやめられない場合、どういった対応があるのでしょうか?
乳児期(1歳まで)
指しゃぶりを無理にやめさせる必要はありません。乳児の発達の過程において、生理的な行為なので、このまま様子を見ましょう。
生後1~2歳の幼児期
この時期は遊びの幅が広がるので、昼間の指しゃぶりは減少します。
退屈なときや眠いときに見られることが多いです。ですので、この時期はあまり神経質にならずに子どもの生活全体を温かく見守りましょう。ただし
- 1日中頻繁にしている
- 吸い方が強いために指ダコができている
などの場合は、4~5歳と成長した頃に習慣化しないためにも小児歯科の受診、相談をはじめ小児科医や臨床心理士などの対応をおすすめします。
年少さんから小学校に上がる前まで
(3歳~就学前まで)
この時期になるとすでに習慣化してしまった指しゃぶりだとしても、幼稚園や保育園で子どもたち同志の遊びなど、社会性が発達するにつれて自然に減少するこ とが多いです。
それでもなお、頻繁な指しゃぶりをしている場合には、小児歯科の受診をはじめ小児科医や臨床心理士などの積極的な対応をおすすめします。
小学校入学以降の学童期
この時期になると指しゃぶりはほとんど消失することが多いでしょう。この時期になっても固執している子や、お子さん自身が止めたくても止められない子の場合などは、小児歯科医・小児科医および臨床心理士の連携を積極的に行うことをおすすめします。
まとめ
指しゃぶりへの対応は月齢や年齢によって変わってきます。
3歳以降の指しゃぶりでは特に、吸いダコが出来てきたり一日中指しゃぶりをしている場合など、学童期まで指しゃぶりが続くのを防ぐにも早めの歯科受診をお勧めします。