「最近噛みにくい」「あごが疲れる」あなたも、かみ合わせの変化

「最近、食べ物がうまく噛めない気がする」
「片方ばかりで噛んでしまう」
「なんとなくあごが疲れる…」
最近、こうした変化を感じていませんか?
実はそれ、噛み合わせの変化が原因かもしれません。
例えば高齢になると、お口の中の環境が少しずつ変わり、噛み合わせがズレてくることがよくあります。
そこで今回は、「高齢者だけじゃない!起こりやすいかみ合わせの変化」について、その原因や身体への影響、日常生活でできる工夫、そして歯科医院でできるケアをご紹介します。
1. かみ合わせが変わる理由
噛み合わせが変わる理由として、下記のようなものが挙げられます。
① 歯がすり減る
② 歯を失って放置している
③ 入れ歯やブリッジが合わなくなる
④ 歯ぐきやあごの骨の変化
① 歯がすり減る
長年にわたって毎日使っている歯は、自然とすり減っていきます。
特に奥歯のかみ合わせ部分がすり減ると、上下の歯の高さのバランスが崩れ、噛む力や位置が変わってきます。

② 歯を失って放置している
様々な理由で歯を失った後、そのままにしていると、周囲の歯が動いたり、噛み合っていた反対側の歯が伸びてきたりして、かみ合わせがズレてしまいます。

③ 入れ歯やブリッジが合わなくなる
長年使っている入れ歯やブリッジも、噛む面がすり減ったり、経年劣化により少しずつお口に合わなくなってきます。
そうすると噛み合わせのバランスが崩れ、あごや周囲の筋肉に負担がかかることがあります。

④ 歯ぐきやあごの骨の変化
加齢とともに歯周病・歯槽膿漏により歯ぐきが痩せたり、あごの骨がやせてくることで、歯や入れ歯の位置が変わり、かみ合わせが変化していきます。

2. 噛み合わせの変化が引き起こす症状
噛み合わせの変化が引き起こす症状として、下記のようなものが挙げられます。
① 食べ物が噛みにくくなる
② 片側ばかりで噛んでしまう
③あごが疲れる、痛くなる
④顔がゆがんで見える
⑤ 首や肩がこる、頭痛がする
⑥ 発音しづらくなる
⑦ 入れ歯が外れやすくなる
⑧ 食事に時間がかかる、むせやすくなる
① 食べ物が噛みにくくなる
歯の高さや噛む位置がズレることで、効率よく噛むことができなくなります。

② 片側ばかりで噛んでしまう
片側に負担がかかりやすくなり、あごの関節や筋肉にも偏りが出てきます。

③ あごが疲れる、痛くなる
かみ合わせのズレは、あごに余計な力をかけてしまい、疲れや痛みにつながる可能性があります。

④ 顔がゆがんで見える
噛みグセや筋肉の偏りが積み重なると、表情筋のバランスが崩れて、見た目にも影響が出ることがあります。

⑤ 首や肩がこる、頭痛がする
かみ合わせの不調は、首・肩の緊張や姿勢の悪化を引き起こし、頭痛の原因にもなります。

⑥ 発音しづらくなる
舌や唇の位置がズレやすくなり、発音にも影響を及ぼすことがあります。

⑦ 入れ歯が外れやすくなる
合わない入れ歯を使い続けていると、噛み合わせの変化により支える骨の吸収が促進され、外れやすくなります。

⑧ 食事に時間がかかる、むせやすくなる
噛みにくさや飲み込みの不調が重なると、食事のスピードが遅くなり、誤嚥のリスクも高めてしまいます。また食べるのが億劫になり、体力低下にもつながってしまいます。

3. 自分でできる工夫と予防法
自分でできる工夫と予防法は、下記のようなものがあります。
① 片方ばかりで噛まないように意識する
② 意識してよく噛んで食べるようにする
③ 姿勢を正しくする
④ 入れ歯を清潔に・正しく使う
① 片方ばかりで噛まないように意識する
左右均等に噛むことで、筋肉やあごへの負担を分散することができます。
しかしながら急に均等にと言われても難しいものです。お食事の際に、今日はどちらで噛んでいるかを、少し意識してみてくださいね。

② よく噛んで食べる
あごや舌の筋肉をしっかり使うことで、筋力の維持につながります。
柔らかいものばかりでなく、適度に噛みごたえのある食材も意識的に取り入れましょう。

③ 姿勢を正しくする
前かがみや猫背などの姿勢が続くと、あごの位置がズレて、かみ合わせにも影響します。
食事中は前かがみになっていないか、のけぞっていないかなど、姿勢を意識した座り方を心がけましょう。

④ 入れ歯を清潔に・正しく使う
入れ歯がズレたり痛みがあると、外してしまったり無意識に片方で噛むクセがつきやすくなります。
入れ歯は常にフィットしている状態で使えることが理想です。
合わなくなったと感じたら、早めに調整を行いましょう。

4. 歯科医院でできるケアとサポート
歯科医院でできるケアとサポートとして、下記のようなものが挙げられます。
① 噛み合わせのチェックと調整
② 入れ歯の調整・作り直し
③ 歯が抜けた部分の補綴治療
④ 顎関節や筋肉のケア
① 噛み合わせのチェックと調整
現在のかみ合わせの状態を確認し、噛み合わせのズレがあれば調整を行います。
わずかな高さの違いでも、お口の中の違和感や痛みにつながることがあります。

② 入れ歯の調整・作り直し
入れ歯の高さやかみ合わせが変わってきた場合は、裏打ち(リライニング)や再製作を行います。
快適に噛めるようになることで、全身への負担も減らすことができます。

③ 歯が抜けた部分の補綴治療
歯を失ったまま放置していると、かみ合わせ全体が崩れやすくなります。
インプラント、ブリッジ、部分入れ歯など、状態に合った治療法をご提案します。

④ 顎関節や筋肉のケア
あごの痛みや筋肉の疲労がある場合には、マウスピースの使用や生活習慣の見直し、筋肉のマッサージなどを組み合わせて改善を目指していきます。

5. まとめ
いかがでしたでしょうか。
かみ合わせは、「食べる」「話す」「笑う」だけでなく、全身の健康にも深く関わる大切な要素です。
「ちょっと変だけど大丈夫」「年だから仕方ない」と思わずに、少しでも違和感を感じたら早めにチェックすることが大切です。
快適に噛めることで食事も楽しめ、心も体も元気になります。
小さな変化でも、歯科医院に相談することで改善できることがたくさんあります。
お口の健康が気になったときは、どうぞお気軽にご相談くださいね。
私たちが一緒にサポートいたします。
最後までお読みいただきありがとうございました。