お口が乾くのは年だけじゃない?唾液が減る原因と対策

水を飲む男性

お口が乾くのは年のせい?「唾液の減少やドライマウス」の原因と対策をわかりやすく解説します。

「最近お口が乾きやすい」「水を飲んでも、まだパサつく感じがする」「夜中に何度も目が覚めて水を飲んでしまう」

というような症状を感じていませんか?

年齢を重ねるにつれ、特に中高年の女性が悩みがちな「ドライマウス(口腔乾燥症)」は、唾液の分泌が減ることで起こります。

放っておくと、むし歯や歯周病、口臭、さらには食事や会話のしづらさにもつながることがあります。

今回は、この「唾液の減少」について、原因やご自宅でできる対策、歯科医院でできるケアまで、ご紹介します。

1.唾液が減る原因

唾液は、実はとても優れた働きを持つ天然の万能液です。

お口の中を洗い流し、潤わせたり、虫歯菌や細菌の繁殖を防ぐ力があります。

その大切な唾液が減ってしまうと、お口の中が乾くだけでなく、いろいろなトラブルの原因になってしまいます。

唾液が減る主な原因は、以下の通りです。

①加齢による唾液腺の機能低下
②お薬の副作用
③自律神経の乱れ
④水分不足
⑤鼻呼吸ができず、口呼吸になる

①加齢による唾液腺の機能低下

年齢とともに唾液をつくる「唾液腺」の働きがゆっくりと弱まり、唾液の分泌量が減っていきます。

加齢を感じる高齢女性

②お薬の副作用

高血圧や糖尿病、うつ病、睡眠導入剤など、多くの薬には「口が渇く」という副作用があります。

服薬の数が増えることで、お口が乾く副作用も増え重なることで、ドライマウスの一因となってしまいます。

薬を服用する様子

③自律神経の乱れ

ストレスや疲れ、不眠などによって自律神経が乱れると、唾液の分泌が低下しやすくなります。

自律神経が乱れた女性

④水分不足

加齢により喉の渇きを感じにくくなるため、意識的に水分をとらないと、知らず知らずのうちに身体が脱水気味になり、唾液も出にくくなります。

水分補給をする女性

⑤鼻呼吸ができず、口呼吸になる

慢性的な鼻炎や加齢による筋力低下で口が開きがちになると、お口が乾きやすくなってしまいます。

口呼吸で寝る男性

2. お家でできる対策

次にお家で出来る対策についてお話します。実は唾液は自分の力でも増やすことができます。

毎日の生活の中で、下記のことを意識してみましょう。

①こまめに水分補給を
②よく噛む食事を意識する
③唾液腺マッサージ
④キシリトール入りガムをかむ
⑤加湿器を使う・寝室環境を整える

①こまめに水分補給を

1日1.5〜2リットルを目安に、こまめにお水やお茶をとりましょう。少しずつ頻繁にとるのがポイントです。

喉が渇いていなくても意識的に水分をとるようにしましょう。

ペットボトルの飲料水

②よく噛む食事を意識する

噛むという刺激で唾液腺が刺激され、分泌が促されます。

柔らかいものばかりでなく、歯ごたえのある野菜や海藻、小魚などを取り入れるのもおすすめです。

ひと口30回を目安に、ゆっくり丁寧に噛んでみましょう。

よく噛んで食事をする高齢夫婦

③唾液腺マッサージ

  • 耳下腺(耳の前)
  • 顎下腺(あごの下)
  • 舌下腺(舌の下)

の3つの唾液腺を、指で優しくマッサージすることで、唾液の分泌が促されます。

テレビを見ながらや入浴しながらなど、気軽に取り入れてみてくださいね。

指で顔のマッサージをする女性

④キシリトール入りガムをかむ

ガムをかむという動きも、唾液腺を刺激し唾液を増やすのに効果的です。

この時キシリトール入100%のものを選ぶと虫歯予防にもつながります。

入れ歯を使っている方や顎が疲れやすい方は、無理のない範囲で取り入れていきましょう。

キシリトール入りのガム

⑤加湿器を使う・寝室環境を整える

特に冬場の乾燥やエアコンの風は、お部屋だけでなくお口の乾燥も悪化させます。

加湿器を使ったり、口呼吸にならないように寝る時の環境や姿勢を見直すのも大切です。

加湿器を使用する様子

3. 歯科医院でできること

唾液の減少は、「ただの乾燥」ではなく、放っておくとお口のトラブルを引き起こす原因となります。

症状が強い方、セルフケアで改善しない方は、お早めに歯科医院で相談しましょう。

歯科医院でできることは下記の通りです。

①口腔乾燥の検査・診断
②保湿ジェルやスプレーの処方
③舌や粘膜のケア
④薬の見直しの相談

①口腔乾燥の検査・診断

必要に応じて、唾液の分泌量を測定する検査を行って、症状の程度や原因を調べます。重症度に応じて、対応方法が変わります。

口腔乾燥の検査を受ける男性

②保湿ジェルやスプレーの処方

市販や医院で取り扱いのある「口腔保湿ジェル」「スプレー」は、唾液の代わりにお口を潤してくれるアイテムです。

特に就寝前に使うと、夜間の乾燥がやわらいで、眠りやすくなります。

歯科医院で診察を受ける男性

③舌や粘膜のケア

乾燥により口内炎や舌の痛み(舌痛症)が起きている場合は、粘膜を保護する処置や保湿剤の使用が効果的です。

舌ブラシで舌を優しく清掃することも、細菌の繁殖予防に役立ちます。

舌ブラシを使用する女性

④薬の見直しの相談

服薬しているお薬の中に口の渇きを引き起こすものがある場合、主治医と相談しながら、薬の調整を検討することもあります。

お医者さんや薬剤師さんと連携して、今後の対処を進めていきましょう。

処方薬の相談のイメージ

4.まとめ

お口の潤いは、心の元気にもつながることもあります。

「歳のせいだから仕方ない」と思っていたお口の乾きが、実は生活習慣やケアの工夫で改善できることも多くあります。

唾液がしっかり出ることで、

◎ 食事がおいしく食べられる
◎ おしゃべりが楽しくなる
◎ 虫歯や歯周病が予防できる
◎ 口臭や粘つきが改善する

など、さまざまなメリットがあります。

お口の潤いは、毎日の生活の快適さに直結しています。

年齢に合わせたケアで、もっと楽しく、もっと健やかな毎日を過ごしていきましょう。

定期健診の際には、「最近お口が乾きやすい」と、ぜひお気軽にお声かけくださいね。

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