抜歯後の過ごし方②〜お食事や飲酒、歯磨きについて〜

ビール飲んでいる男性

先日、ファミリーレストランで食事をしていると『今日は歯医者で抜歯なんだけど、その後に飲み会に出てもいいのかなー』と会話が聞こえて来ました。

歯医者の立場からすると、抜歯当日の飲酒は控えていただいたほうが賢明です。

飲酒禁止のイメージ

そこで今回は『抜歯後の過ごし方』において、麻酔が効いている間と麻酔が切れた後の前半・後半に分けてお話していきたいと思います。本日は後半の『麻酔が切れたあとの過ごし方』についてお話します。

いくつか気をつけていただきたいお願いがありますが、お守りいただくことにより治癒を早めるとともにトラブルを防ぐことに繋がります。

またお子さんへの対応についても記載しています。参考にしていただければと思います。

麻酔が切れたあと‥

①お食事
②運動やお風呂
③お酒などアルコール
④お薬
⑤歯磨き

①お食事

うどん

お食事に関しては特に制限はありません。すごく固いものなどが抜いたところに当たると、思わぬ痛みや出血の原因となりますので、うどんやおそばなどの麺類や雑炊やおじやなど、柔らかめのお食事が良いでしょう。

心配をするあまり、抜歯したから食事は摂らないと仰る方もいらっしゃいますが、お食事は召し上がってください。

〜お子さんの場合〜

大人と対応は大きく変わりません。少し柔らかいものなどたくさん噛まなくていいものや食べやすいものが良いでしょう。

②運動やお風呂

スポーツジム

抜歯をした当日は、激しい運動やお風呂に長く浸かることは控えてください。

1.麻酔が効いている間は‥の③でお話した内容と重複しますが、激しい運動やお風呂に長く浸かるなど、血行がよくなることをすると、せっかくできた血餅が剥がれてしまうことがあります。

シャワー

激しい運動は控え、お風呂はシャワー程度に留めてください。

〜お子さんの場合〜

走り回っている子ども

基本的には大人と同様になります。体を動かす系の習い事がある場合、抜歯当日は休めるようであればお休みすることをおすすめします。

③お酒などアルコール

ビール瓶

②運動やお風呂でもお話したように、お酒などアルコールを飲用すると血管が拡張し、血行が良くなります。再出血の原因としてよく挙げられる行為となりますので、抜歯当日は控えてください。

④お薬

飲み薬と水

抜歯をすると二次感染なども含めた感染予防の観点から、抗生物質が処方されます。1日1回服用のものから毎食後に1日合計3回服用するもの、1回に1錠だったり2錠だったりと処方の仕方は多岐に渡ります。

それぞれの用量用法を守って服用してください。

痛み止めに関しても同様です。

痛み止め

抗生物質と同じように処方される場合や、頓服(とんぷく)と言って痛む時に服用するものが多く処方されますが、痛いからと多めに服用すると思わぬ副作用トラブルに見舞われることにもなりますので、処方された通りに服用してください。

〜お子さんの場合〜

大人と同様ですが、錠剤が苦手なお子さんもいらっしゃるので、事前に相談されてもいいかもしれません。

薬を飲む子ども

また初めて服用するお薬の場合、アレルギー等の心配もありますので万が一に備え、医療機関の開いている昼間に抜歯を行うほうが良いでしょう。

⑤歯磨き

歯磨きイメージ

抜歯をした当日の歯磨きは普段通り行ってかまいません。出血の心配をして磨かない、うがいだけで済ませると仰る方もいらっしゃいますが、抜歯をした付近以外はいつも通り磨いてください。抜歯をした付近は優しく柔らかく磨きましょう。

〜お子さんの場合〜

お子さんご自身に磨いてもらうのも良いですが、抜いた穴などを傷つけてしまうことも考えられますので、仕上げ磨きのように抜歯をした当日は保護者の方が行うほうが良いかもしれません。

再出血してしまったら‥

再出血してしまったらどうすれば良いでしょうか。この項では先にお子さんへの対応からお話させていただきます。

①お子さんの場合

焦っている親

まずは傷口をよく観察してください。お子さんは唾液が多いので唾液に混じった微量の出血を、大出血と見間違えてしまうことがあります。

抜歯を行った当日はどうしても少量の出血はあります。落ち着いてお口の中を観察してください。

②ガーゼを噛む

ガーゼ

土呂駅あつ美歯科クリニックでは抜歯の際、お薬と共に滅菌のガーゼをお渡ししています。

万が一再出血をしてしまったら、ガーゼなどを抜いた穴の上に置き、15分ほど噛んでください。

噛み合う歯がない場合やお子さんの場合は指で押さえてください。指で押さえる場合には、親指が便利です。親指で抜いたところを押さえ、残りの指は顎の下に添えておくと良いでしょう。

麻酔が効いている間は‥の③でお話したように、圧迫止血のうえ血餅ができると出血はおさまります。

出血の止まらない場合や腫れが極端に強い場合など、すぐにご連絡ください。

抜歯の翌日以降

抜歯イメージ

抜歯の翌日以降の診察で、抜歯部分の消毒や感染の有無を確認し、治癒状況を確認します。歯を抜いた穴はその歯の状況に大きく左右されますが、概ね1ヶ月程度で穴は埋まっていきます。

食事をしている人たち

抜歯当日とは異なり、お食事も含めて普段通りの生活をお過ごしください。抜いた穴に食べ物が挟まりやすいこともあります。うがいは念入りに行ってください。

また抜歯の際に縫合をした場合には、概ね1週間後に抜糸を行います。

まとめ

まとめ

いかがでしたでしょうか。

抜歯後、麻酔が覚めてからについてお話しました。

いくつか留意していただきたい点があります。特にお薬は用法用量を守って服用してください。

もし出血してしまった場合にも、慌てずに圧迫止血を行いましょう。

分からないことや不安な点があれば、遠慮なくご相談ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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