抜歯後の過ごし方
先日、ファミリーレストランで食事をしていると『今日は歯医者で抜歯なんだけど、その後に飲み会に出てもいいのかなー』と会話が聞こえて来ました。
歯医者の立場からすると、抜歯当日の飲酒は控えていただいたほうが賢明です。
そこで今回は『抜歯後の過ごし方』において、麻酔が効いている間と麻酔が切れた後の前半・後半に分けてお話していきたいと思います。本日は前半の『麻酔が効いている間の過ごし方』についてお話します。
いくつか気をつけていただきたいお願いがありますが、お守りいただくことにより治癒を早めるとともにトラブルを防ぐことに繋がります。
またお子さんへの対応についても記載しています。参考にしていただければと思います。
目次
麻酔が効いている間は‥
麻酔の効いている間は麻酔をした歯はもちろん、頬や唇など周辺の感覚が鈍くなります。麻酔の種類にもよりますが、通常はおおよそ2〜3時間程度で麻酔が覚めてきます。親知らずの抜歯などでは、伝達麻酔と呼ばれる広範囲な麻酔のため、4〜5時間効いていることもあります。また無意識のうちに、唇を噛んでしまったり頬を傷つけてしまうことがあります。
①お子さんの場合
②飲み物や食べ物
③うがい
④過ごし方
①お子さんの場合
特にお子さんの場合、感覚がなくなっていることが楽しくなってしまったり面白くなってしまい、強く噛んでしまうことがあります。麻酔が覚めた後にすごく痛くなってしまいますので、『今日は歯医者さん頑張ったね、歯はまだ眠っているから、起きるまでそっとしてあげようね』などと声がけをするのが良いでしょう。
②飲み物や食べ物
麻酔の効いている間に歯医者さんでうがいをすると、意図せず唇からお水が垂れることを経験したことはないでしょうか?歯だけでなく頬や唇も麻酔が効いているためです。
飲み物はストローなどを使い麻酔が効いている箇所を避けて飲んだり、お食事は麻酔が覚めてから食べることを推奨しています。
お腹が空いてしまった場合には、栄養補給ゼリー(ウィダーインゼリーなど)やプリンなど、噛まずにお腹に入れられるものをお勧めしています。
③うがい
抜歯をした後に出血を止めるために、ガーゼを噛んだと思います。これは包丁などで指を切ってしまったりなどの時に圧迫して止血するのと同じで、噛むことにより圧迫止血を行い、血餅と呼ばれる血の塊を作ります。
抜歯は血の味が気になり頻繁にうがいをしたくなりますが、強めのうがいをしてしまうとこの血餅が取れてしまい、再出血の原因になりかねません。
抜歯後のうがいは、お口にお水を含んだら、軽めのうがいやそのまま吐き出すほうが良いです。
麻酔が覚めても、抜歯をした日のうがいは同じようにしてください。
④過ごし方
ベッドに横になってしっかり休む必要はありませんが、今日は歯を抜くんだ。今日は歯を抜いたんだ。と、心労は想像に難くありません。せめて麻酔が覚めるまでの間はゆっくりお過ごしください。
再出血してしまったら‥
再出血してしまったらどうすれば良いでしょうか。この項では先にお子さんへの対応からお話させていただきます。
①お子さんの場合
まずは傷口をよく観察してください。お子さんは唾液が多いので唾液に混じった微量の出血を、大出血と見間違えてしまうことがあります。
抜歯を行った当日はどうしても少量の出血はあります。落ち着いてお口の中を観察してください。
②ガーゼを噛む
土呂駅あつ美歯科クリニックでは抜歯の際、お薬と共に滅菌のガーゼをお渡ししています。
万が一再出血をしてしまったら、ガーゼなどを抜いた穴の上に置き、15分ほど噛んでください。
噛み合う歯がない場合やお子さんの場合は指で押さえてください。指で押さえる場合には、親指が便利です。親指で抜いたところを押さえ、残りの指は顎の下に添えておくと良いでしょう。
麻酔が効いている間は‥の③でお話したように、圧迫止血のうえ血餅ができると出血はおさまります。
出血の止まらない場合や腫れが極端に強い場合など、すぐにご連絡ください。
抜歯の翌日以降
抜歯の翌日以降の診察で、抜歯部分の消毒や感染の有無を確認し、治癒状況を確認します。歯を抜いた穴はその歯の状況に大きく左右されますが、概ね1ヶ月程度で穴は埋まっていきます。
また抜歯当日とは異なり、お食事も含めて普段通りの生活を過ごしてください。
抜いた穴に食べ物が挟まりやすいこともあります。うがいは念入りに行ってください。
また抜歯の際に縫合をした場合には、概ね1週間後に抜糸を行います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
本日は『麻酔が効いている間の過ごし方』についてお話しました。
歯医者さんへ行って抜歯をするということは、文章にするよりも、とてもストレスがかかることだと思います。
土呂駅あつ美歯科クリニックでは、治療中にはお痛みを感じないよう、麻酔の量を調整しながら治療にあたっております。治療後、麻酔の覚めるまではご不便をおかけします。ご協力いただきありがとうございます。
分からないことや不安な点があれば、遠慮なくご相談ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。