歯磨きは何分したらいいのか

こんにちは、土呂駅あつ美歯科クリニックです。

患者様から、『歯磨きをしてもどうもツルツルになりにくいところがある。一体歯磨きは何分したらいいのか』と質問を受けました。

そこで本日は、皆さまが普段おこなっている歯磨きの磨き方のポイントや時間について、詳しくお話しさせていただきます。

歯磨きは毎日の習慣ですが、少し意識することで効果が高まりますので、ぜひ参考にしてください。

〜利き手によって磨きにくい箇所とは〜

歯磨きはただ磨くだけでなく、どこをどのように磨くかを意識することが重要です。特に、利き手によって磨き残しやすい箇所に違いがあることをご存知でしょうか？歯並びは基本的にU字型をしています。前歯は歯ブラシを左右に動かしながら磨くことで歯に歯ブラシがあたります。また奥歯は歯ブラシを手前から奥へ、あるいは奥から手前へ磨くと歯に歯ブラシが当たります。

これで全ての歯が磨けるように感じてしまいますが、先ほどお伝えしたように歯並びはU字型をしています。犬歯と呼ばれる糸切り歯やその奥の歯はそのU字型のカーブに位置するため、先ほどの磨き方ではどうしても歯ブラシがあたりにくくなったり、磨きにくくなります。

そのため右手で歯ブラシを持つ方は、右側の犬歯とそのお隣の奥歯の根元が磨きにくくなりがちです。同様に、左利きの方は左側の犬歯やそのお隣の奥歯が磨きにくくなります。ですから日頃の歯磨きでは、歯並びのカーブの箇所、利き手側の犬歯を少し意識してみましょう。

〜効果的な歯磨きの仕方とは〜

歯と歯茎の境目は要注意です。ここは汚れ（プラーク）が溜まりやすい部分で、磨き残しが多くなりがちです。プラークが残ると、そこから歯茎が腫れてしまい出血したり、さらなる汚れが付着しやすくなります。ですから、歯と歯茎の境目を意識して、丁寧に磨いてみると良いでしょう。

鏡を使っての歯磨きは効果的ですが、歯と歯ぐきの境目を意識しようにもいまいちわかりにくい。そんなときは、歯ブラシを歯ぐきから当てて、少しずつ歯に向かって動かしてみてください。この時、この辺りで歯ブラシに当たる感触が少し硬くなり歯に当たったかな？と言う箇所が歯と歯ぐきの境目になります。

〜歯磨きにかける時間〜

理想的には、1本の歯に1分かけて磨くのが望ましいのですが、28本の歯を1分ずつ磨くと、合計で28分もかかってしまいます。現実的に考えると、これを毎日歯磨きの度に実践するのは難しいかと思います。

そこで、1本あたり30秒程度に時間を短縮するのも一案です。これでも合計すると14分ですので、少しハードルが下がったとはいえ十分長時間になります。

さらに時間を短縮したい場合は、1本あたり15秒ほどにするのはどうでしょうか。

前歯は表面や裏側、側面の4面から構成されますので、面ごとの歯磨きにかかる時間は４秒ほどです。なんだかできそうな秒数ではありませんか？歯と歯の間の側面はフロスや糸ようじを使うと効果的です。

奥歯については、さらに噛み合わせ面も含めた5面を磨くことになります。特に奥歯の噛み合わせ面には食べかすが残りやすいので、短時間でもしっかりとブラシを当ててみてください。理想の時間配分で磨けない日も、可能な範囲で丁寧に磨くことを心がけるだけでも、汚れの除去がかなり変わってきます。

〜効果的なうがい〜

歯磨き前後のうがいもぶくぶくとするだけでなく、長めに行いましょう。1度にたくさんのお水を含むことはありません。おちょこの半分くらいの量、大さじ2杯くらいの量のお水を含んでうがいをしましょう。お水を含んだら、頬をしっかり動かして20秒〜３０秒程度行ってください。これにより、お口の中に対流が生まれ、全体の汚れが浮かび上がってきます。

〜歯磨き粉は後半戦で使うのが効果的〜

歯磨き粉については清涼感を求める方も多く、歯磨き粉をつけて短時間磨いただけでお口の中が泡立ち、すごく綺麗になったと思い込んでしまうことがあります。

お勧めの方法は、初めは歯磨き粉を使わず、数分磨いた後に少量の歯磨き粉をつけて（歯ブラシのブラシの長さの半分程度の量）仕上げ磨きする方法です。この方法なら、磨き心地も爽やかになり、短時間で済ませられます。

まとめ

日々の歯磨きに少しの工夫を取り入れるだけで、より効果的な歯磨きができます。特に利き手側や歯と歯茎の境目、奥歯の噛み合わせ面など、汚れがたまりやすい場所に意識を向けてみましょう。短時間でも丁寧に磨くことが、長い目で見て歯の健康を守ることにつながります。

土呂駅あつ美歯科クリニック

院長　成田紗織