舌が白い(舌苔)の原因は?
土呂駅東口目の前の土呂駅あつ美歯科クリニックです。
先日、なんとなく鏡を見ている時に舌を出してみたら、自分の舌が白かった。気になって何日か様子を見ていたら元に戻ったようなのだけれど、歯医者さんに行ったほうがいいのかと質問を受けました。
そこで今回は舌が白くなる原因についてについてお話していきたいと思います。
舌の表面が白い原因は舌苔であることが考えられます。舌苔とは口腔内の細菌や食べかす、上皮の剥離(口内の皮膚細胞が剥がれ落ちてできたもの)などが舌の表面に蓄積することで形成されます。
《舌が白くなる原因》
日常生活を送っていれば、全身の皮膚はターンオーバーで生まれ変わることはよく知られています。口腔内も同じようにターンオーバーにより上皮の剥離が起こりますが、なぜ白く溜まってしまうことがあるのでしょうか?
その理由として
①舌の動きの低下
②お口の中が乾いている(唾液の分泌低下)
③日頃のお手入れが届いていない(お口の清掃不良)
④体調不良
などが挙げられます。
①舌の動きの低下
聞き慣れない言葉かもしれませんが、口腔機能低下症という、比較的新しい病名があるのをご存知でしょうか?口腔機能低下症とは文字通り、お口の機能が低下してしまい、食べている時にむせてしまったり、硬いものが食べにくい、食べるのに時間がかかるようになるなどの症状が出てきます。その中の一つとして、舌の機能低下も挙げられています。
舌の機能が低下すると、舌の表面の清掃能力が弱まり、食物の残留物や細菌が舌の表面に蓄積しやすくなり、舌苔の形成が促進されることがあります。また舌の動きが鈍くなり、舌の清掃が不十分になってしまいます。
②お口の中が乾いている
お口の中が乾燥していると、舌に付いたか汚れが唾液で流されにくくなります。
唾液には、食渣や歯垢を洗い流したり(自浄作用)や、口腔内の菌の増殖を抑える働き(殺菌作用)があります。病気や疾患・ストレス・薬の副作用・脱水・加齢などが原因で唾液自体の量が減少すると、舌苔が厚くなることがあります。
③ 日頃のお手入れが届いていない(お口の清掃不良)
歯磨きは、歯や歯茎に付着した食べかすや細菌を取り除くことで、口腔内の衛生を保ちます。これにより舌に付着する細菌や汚れの供給源が減り、舌苔の発生を防ぎやすくなります。歯磨きが十分でないと口腔内に磨き残し(プラーク)が蓄積されてしまいます。
また、歯磨きにより口腔内のpHバランスが整い、細菌の繁殖が抑えられるため、舌苔の形成も抑制されます。口腔内全体の清掃が舌苔対策には欠かせません。
④体調不良
体調不良が舌苔の発生を促す理由はいくつかあります。まず、体調が悪いと免疫機能が低下し、口腔内の細菌バランスが崩れることがあります。これにより、細菌の増殖が促進され、舌に舌苔がつきやすくなります。さらに、体調不良によって口腔内の乾燥や唾液分泌の減少が起こると、口腔内の自然な清掃機能が低下し、舌苔の形成が進むことがあります。また、病気や薬の副作用で味覚が変わることも、舌苔の発生に影響を与える場合があります。
また舌が白くなり、毛羽だっているような状態のカンジダとの鑑別診断が大切になります。
まとめ
舌苔は誰にでも付着することはあります。その原因として
- 舌の動きの低下
- お口の中が乾いている(唾液の分泌低下)
- お口の清掃不良
- 体調不良
などが挙げられます。
特に体調不良の時は舌苔ではなく、カンジダ菌の繁殖によることもありますので、気になる時には歯医者さんの受診をおすすめします。
土呂駅あつ美歯科クリニック
院長 成田紗織