入れ歯安定剤の種類と特徴を知ろう
土呂駅東口目の前の土呂駅あつ美歯科クリニックです。
入れ歯が合わない!!という問題は、多くの患者さんが直面する厄介な課題です。そのために、日本ではたくさんの入れ歯安定剤が販売されています。
今回のコラムでは、その種類や特徴、適した使い方について詳しくお話します。
目次
入れ歯安定剤の種類と特徴
入れ歯安定剤は、大きく分けて粘着タイプとクッションタイプの2種類があります。
さらに、粘着タイプは、粉末(パウダー)タイプ・クリームタイプ・シートタイプの3つに分けられるため、合計で4種類のタイプがあります。
それぞれ使い方や特徴が異なるので、自分に合ったものを選びましょう。
1.粉末(パウダー)タイプの入れ歯安定剤
粉末を入れ歯の裏面に振りかけるタイプの安定剤です。パウダーを入れ歯の裏面にふりかけるだけなので、操作が容易です。クリームタイプのものに比べ穏やかな保持力を発揮し、食事中にも優れた安定感を持続させます。特に、入れ歯が新しくなりなんとなく違和感を感じる場合や、初めての入れ歯の方など不慣れな時におすすめの入れ歯安定剤です。
2.クリームタイプの入れ歯安定剤
柔らかいクリームを入れ歯の裏面に塗るタイプの安定剤です。強力な保持力を提供し、1日1回の塗布で、長時間の使用にも耐えられます。
入れ歯と歯ぐきの間のすき間が広がってしまったり、入れ歯が緩んだり、入れ歯と歯ぐきの間にイチゴの種や胡麻のような、細かい食べ物が挟まったりして痛む場合に適しています。
しかし、
- ①使用中に溶け出してお口の中がヌルヌルする
- ②サラサラだった唾液がネバネバする
- ③入れ歯をお口から出すときに、入れ歯がベタベタする
- ④お口の中に溶け出した入れ歯安定剤と唾液の影響で、痰が絡むようになる
など不快な症状を伴うことがあります。適切な量を塗布する技術が必要です。
3.シートタイプの入れ歯安定剤(シーボンド)
海藻の粘着成分であるアルギン酸(昆布のネバネバが想像しやすいと思います。)の他、複数の粘着成分を含む薄いシート状の安定剤です。入れ歯に貼り付けての使用になります。
取り外しが簡単ですが、シートの大きさがご自身の入れ歯に対して大きすぎないか小さすぎないか等、過不足がないか確認が必要で使用にはコツが必要です。
また乾いているシートを水に濡らしての使用になるので、水分が必要になります。
4.クッションタイプの入れ歯安定剤
その名の通り、クッションのように弾力のある入れ歯安定剤です。粘着力はクリームタイプよりもさらに強力で歯ぐきと入れ歯の隙間が大きくなってしまった場合や入れ歯が歯ぐきに当たって痛い。などの時に向いています。
ただし、
- 指で入れ歯の裏側に塗る必要がある
- 安定剤を塗ったあと、お口の中ではみ出た部分を拭い取る必要があるので手間とコツが必要。
- 多く塗りすぎると、かえって入れ歯が不安定になる。
- 粘着力が強力なため、剥がしにくい。
- 剥がし残しの上に新たに安定剤を乗せてしまうと、層ができてしまい不潔になりカビの発生や口臭の原因になる。
ということがあるので、使用にはこちらも慣れやコツが必要です。
まとめ
入れ歯安定剤は大きく4種類に分けられます。
- 粉末パウダータイプ
- クリームタイプ
- クッションタイプ
- シートタイプ
これらの安定剤は、入れ歯の安定感を向上させるのに役立ちます。しかし、誤った使い方をすると思わぬ弊害を生じることがあります。
そのため快適な入れ歯生活を送るためには、適切な調整が不可欠です。
入れ歯安定剤はあなたの抱えてらっしゃる問題を一時的に解決してくれることはあっても、根本的な問題の解決に繋がる訳ではありません。
また入れ歯が合わない場合、割れていたり一部が破損していたりと、入れ歯そのものの調整が必要な場合もあります。
不具合を感じる場合には、すぐに歯医者さんを受診してください。